【Interview】山盛酒造株式会社・山盛 岳志 氏 (38)


「若い人達に、飲んで欲しいから。」

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子どものころ、憧れていたことがある。
馴染みの料亭のカウンターで、すっと杯を傾けるひと。
そんなひとにいつかなりたい、と淡い夢を描いていた。
そのころは遠い存在のように思えていた日本酒を、ずっと身近に感じられる場所を、知るまでは-。

・・・これは、今池まつりで出逢った若い女性Kさんが語ってくれたこと。

『日本酒は日常的なものだよ。』と言うわりに、まだまだかしこまって飲む大人が多いのも事実だ。
だが、「日本酒とはこうあってもよいのか、日本酒とはこう飲んでしまってもよいものなのか」という驚きと共に、Kさんを開眼させたのは、初めて味わった日本酒、山盛酒造の「鷹の夢」だという。

今、勢いがあるナゴヤクラウド。名古屋市内の4蔵の若き蔵人が結成したユニットだ。
彼らが出向くのは、兎にも角にも、ワイワイがやがやした、とてもフレンドリーな場所。がさつと言ってもいいほどに楽しすぎる場所だ。
そこでKさんは、気軽なおつまみと共に、はじめて日本酒を味わった。その後、しばしばイベントに参加するうちに、市内の料理店店主や、日本酒好きな人たちと親しくなった。彼らにお薦めを訊けば、想像もしていないようなマッチングや、ちょっとイレギュラーでアブノーマル(!) な面白い味の酒が出てくることもあり、今ではすっかり日本酒ファンになってしまったのだそうだ。

それは親しいバーマンに、ちょっとオリジナルなカクテルを作ってもらう感覚に似ている。
全く違っているのは、サーブしてくれる人がちっとも正装していないし、とにかく陽気に楽しそうなこと(笑)。
今池まつりの「新名古屋メシ創り隊」のブースで、実際にサーブする山盛氏の写真をご覧いただきたい。次期蔵元でありながら、気取りや堅苦しさなど、みじんも見られないのである。

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▲「新名古屋メシ創り隊ブース@今池まつり」で、鷹の夢をサーブする山盛氏

山盛氏は、家業であった酒造りに興味が持てず、大学卒業後コンピューター会社に就職。しかし帰省時に手伝った蔵開きで、山盛氏の事を全く知らない客から熱く「鷹の夢」の旨さについて語られ、酒造りを決意したという。

その後蔵に戻り、一から修業中の山盛氏。近年では、“酸”・“旨み”・“キレ”の立体的な味わいを表現する、というコンセプトで醸した「コンセプト・ゼロ」、“夜に大人が飲めるような酒”というコンセプトの「むーんれいかー」など、新しいタイプを意欲的に打ち出し、その深い旨みと酸、キレの絶妙なバランスに、ファンを増やし続けている。

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▲山盛氏の意欲作「コンセプトゼロ」と、「むーんれいかー」。なんと、ラベルもご自身でデザイン。

極めて客観的に、家業の味わいをとらえて、そこに新しいエッセンスを加える。それは、山盛酒造に生まれ育った山盛氏だからこそできた、一見遠回りに見えて、最も確実で唯一の道だったのかもしれない。

『仕事はとにかく丁寧にやりたいです。でも、若い人に飲んで欲しいから、まずは、楽しくないとね(笑)。』と山盛氏。
そんなつくり手が造る日本酒もある。予備知識なんてご無用の酒、とても面白いではないか。
後で知っていく楽しみもあるし、知らずに「あー美味しい」と思うだけでも楽しめる、自由な酒。
この楽しみ方は、今どきの若者のライフスタイルにとてもマッチしているし、旨味がありつつエッジのきいた味わいも相まって、じわじわと人気が出てきているのも頷ける。

美酒欄では、ぜひ山盛酒造のブースを訪ねて、山盛氏との軽妙なトークを楽しみながら、彼の静かなる情熱の酒を、味わってみていただきたい。

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