【Interview】金虎酒造株式会社 杜氏 木村 伸一氏(38)


「シーズンオフしか、喜べません。」

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▲蔵内で談笑する木村伸一杜氏(左)と、水野善文専務(右)。

大曽根駅から10分程歩くと、「金虎」「虎変」の銘柄で知られる金虎酒造がある。

昔からその開かれた雰囲気で地元に愛され、地元を大切にしてきた蔵だ。近年、名古屋市内の4蔵で結成された蔵ユニット「ナゴヤクラウド」の活動で、さらに一般に広く知られるようになった。

その金虎酒造で杜氏を務めるのが、木村 伸一氏(38)だ。木村氏といえば、越後杜氏に師事して9年の叩上げで、28歳の時はじめて醸した酒で愛知県知事賞を受賞した偉才。業界関係者誰しもが、その腕に一目置いている存在である。

『今回の美酒欄のテーマは酒米、という事ですが・・・。僕は米に対するこだわりはあまりありません。ただ杜氏として、お百姓さんが大切に育てたお米の、いいところをのばして、悪いところをどう変えるか、という点にはこだわっています。』と、真摯に語る木村氏。酒米それぞれの個性をいかしつつも、最後に酒の味を決めるのは米ではなく、杜氏の腕であるべき、という彼の信念がうかがえる。

そんな若き名杜氏、木村氏を強力にサポートするのが、水野善文専務(39)だ。今は特に、設備投資に力を入れている。既に大吟醸用のタンク、新しい洗米機などを導入、麹室も新設した。麹室にあたっては、木村氏と水野専務の2人で県外蔵を一週間かけて周り、完全にオーダーメイド設計にする程の力の入れようである。そうして、文字通り二人三脚で環境を整えてきた金虎酒造。互いに尊敬しあい、期待しあう関係の中で生み出される酒は、今年の金鯱賞本命との呼び声も高い。

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▲新設した麹室。台の高さ、麹箱の大きさまで木村氏に合わせてあるという。

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▲蔵の雰囲気も癒し系。水野専務のお嬢さんが書いた入口案内「おさけです きんとら」。

最後に、木村氏に『酒造りをしていて良かったと思う時は?』と聞いてみると・・・

『シーズンオフしか喜べません。』と、あっさり。

すべて終わって肩の荷を下ろさないと、良かった、嬉しいといった感情は一切出てこないという。ドラマのように、造り期間中にできた酒を搾って飲んで、出来映えを嬉々として喜ぶ・・・という事はなく、シーズン中は、常に問題点、反省点を探すような感情に支配されているのだそうだ。

「造りをコントロールするために、いかなる時も冷静であるべき。」と口で言うのは簡単だが、実はそれはとてつもなく難しい。木村氏にそうさせるのは、作り手としての本能を抑え込む鋼のような理性と、杜氏としての覚悟の重さ、ではないだろうか。

『特に美酒欄のイベントは、10月初旬という日程的に、お客さんの方の声を聴く最後の機会です。いいも悪いも、飲み手の方々の意見を造りにいかしたいですし、ファンの方達の励ましの声は、つらい造りの時期にフラッシュバックして、僕の力になってくれます。ですから僕は美酒欄で、多くの方と交流し、できる限りお話しさせていただきたいと思っています。』と、木村氏。

誠実で柔和なお人柄から、“癒し系”としてファンも多い木村氏。是非、美酒欄では金虎酒造のブースへ足を運び、木村氏のすすめる酒を味わっていただきたい。その癒されるほどにストイックな杜氏と、彼が醸す酒について語り合えるとは、なんと、贅沢な事だろうか。


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▲二人三脚で醸した酒、美酒欄で是非味わって。

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